ギャグ・シフト現象
(Gag Shift Phenomena)

さてさて、皆さん、楽しいRPGセッションを行っていますか? 今回話題にす るのは、ギャグ・シフト現象(GSP)です。もっともこの言葉は私の造語ですの で、知っている人はほとんどいないでしょうね。ずーっと昔に、RPG-MLで書い たことは有るのですが、それも忘れさられていることでしょう。

ではGSPとはどういうものかをまずお話しましょう。一言で言えば、GMは意 図しないのに、セッションがお笑いに流れてしまうという極めて悲劇的な現象 の事です。

もちろん、「いかなるシナリオであろうとも、セッションはお笑いに流れ る」というのも1つのプレイスタイルと言えない事もないでしょう。でも、 「たまにはシリアスなシナリオを」と思って頑張ったのに、セッションがお笑 いに流れたら、GMとしては悲しいですよね。はたしてGSPを回避する方法は無 いのでしょうか?

正直な話、なかなか難しい。プレイヤーに「今回はシリアスだよ」と言う だけでシリアスなセッションを行えるのなら、GSPなどは無いのですから。

そもそも、なぜGSPが発生するのでしょうか? 一つには、プレイヤーの精 神的な基礎体力のようなものが欠如しているからではないかと思うのです。 RPGのセッションは、結構集中力が必要で、疲れるものですよね。特に、シリ アスなシナリオであればなおさらでしょう。そこで、集中力をあるいは緊張を 一時的にではあってもゆるめ、精神的な疲労を軽減・回復しようという無意識 的な働きがGSPを引き起こしているのではないかと思うのです。

これがあくまで一時的な行為として表われるのであれば、GSPとはならない と思います。このような行為が、ギャグ系の反応を呼び、それがまたギャグ系 の反応を呼び.... と連鎖していくと、明らかなGSPとなるわけです。緊張が 緩んだことにより、もはや歯止めがなくなり手がつけられなくなるわけですね。

確かにダベることもRPGの楽しさの中の1つであり、GSPはセッションから、 ダベることへの興味の対象の変化によって起こるとも考えられます。

あるいは、「RPGのセッションは楽しむためのもである -> 楽しいこと は笑うことである -> RPGのセッションはお笑いになってこそ楽しいのであ る」という悲劇的かつ短絡的な解釈によって、あるいは無意識にこのようなイ メージが刷り込まれていることによって、どんどんお笑いに流れるという、そ れこそ悲劇的というか手の付けられない解釈も有りえますが...。 まぁこれに ついては置いておきましょう

そうして考えてみると、GSPを回避するためには、集中力や緊張を維持でき る程度にセッション時間を短くするか、あるいは適当に休憩を取るという方法 が考えられます。はたしてこれだけで充分かどうかは分かりません。また、こ の方法にも問題が無いわけではないでしょう。セッション時間が短くなれば、 その内容はあまり手の混んだものには出来ないでしょうし、こまめに休憩を取 るようでは、雰囲気が削がれるかもしれません。あるいは休憩によって、その ままセッションが消滅してしまうことも有りますし...

そういうわけで、セッション時間を短くし、適当に休憩をとるとしても、 やはりプレイヤーに精神的な基礎体力をつけてもらう事も必要なのだと思いま す。結局は慣れという事に落ち着いてしまうのですが‥‥。